面を速く打つ【全国クラスしか知らない打ち方】
面を速く打つためにはどうすれば良いか。スピード、それはとても要因だ。
今回は、面を速く打つ方法を紹介しよう。ここでの面は、飛び込み面とする。
はじめに、面が速い有名な選手といえば誰だろうか?
殿堂入りだと、宮崎正裕選手、高鍋進選手、近本巧選手。
最近では、勝見選手、西村選手、竹ノ内選手、村瀬選手、林田選手等だろう。
ひとえに面が速いと言っても、以上の選手はそれぞれ違う打ち方を持ち、また、速さの種類が違う。
面の速さの公式
左足のバネ × 起こりの小ささ × 竹刀の振りの小ささ
この3つが組み合わさり、速い面打ちが可能になる。左から順に重要な要素である。
左足のバネ
特にこの中でも重要なのが、左足のバネ。これは、才能的なものがあるのかもしれない。
歴代最高の優勝数を誇る宮崎正裕選手、最速の面を打つと言われる高鍋進選手は、屈指のバネを持つと言われている。
特に、高鍋選手のバネは剣道界最高だろう。
現在神奈川県警の監督である宮崎正裕選手は、教え子である高鍋選手について、こう語っている。
「速いと思う選手は今までたくさんいたが、その中でも高鍋は群を抜いている。持って生まれた才能だ」
面を打つとき、初心者の多くが大事なのは腕力だと思いがちだが、実は蹴り出す脚力の方が重要だ。むしろ、速い面を打つという点において、腕力が占める重要比率は低い。
この高鍋進選手の動画を見て欲しい。
彼の構えは後傾的だ。後ろに体重が乗っている。
それは、常に左足にタメを作っているからだ。
比較してみよう。
左が内村選手、右が高鍋選手だ。
この微妙な違いがわかるだろうか?
前傾的な内村選手の構えに対し、高鍋選手の構えは後傾的だ。
内村選手は、出ばなや返し技を得意とする。そのため、右足に体重をのせていた方が細かな動きに対処でき、返し技が打ちやすいという特徴がある。
デメリットとしては、遠くへ打てないという点があるが、そもそも背が低い内村選手が無理して遠間から打つのは得策ではなく、小柄な体を生かした小手や返し技の方が有効なため、理にかなった構えだと言っていいだろう。
高鍋選手は、上記の通り面を得意とし、"相手の守りよりも先に打つ"というスタンス。
遠く・速く打つためには、左足を強く蹴りださなければいけない。後傾的なのは、左足に体重をのせて、タメを作っているからである。
いわば砲台に弾を込め、彼は常に発射準備完了の状態にしていると言える。
デメリットとしては、大技を狙った構えであるため、細かな動きができないということ。高鍋選手が返し胴や出小手を使うことは非常に稀だ。なぜなら、構えそのものが"それ用"ではないからだ。
起こりの小ささ
そもそも、"起こり"とは何だろうか。
それは、技の打ち始めのことである。
技の打ち始めを見えなくし、相手に気付かれないように打つことだ。
相手に起こりを見させないなど、そんなことが可能なのか?
結論から言うと、不可能だ。
しかし、それを極限まで見えにくくさせる必要がある。
その方法としては、
右手と右足を同時に出して面を打つことだ。
この起こりが見えない面の使い手として、村瀬選手が上がる。
この動画の、5:03を見て欲しい。
スローで見てみると、彼の打ち始めに、右手と右足が同時に動き出しているのがわかる。
なぜ"右手"と"右足"なのか?
それは、相手から見て一番見える二点が、右手と右足だからで、相手はそれを元に"起こり"を判断するからである。
多くの選手は、手から動きがちだ。そこに足を連動させなければいけない。
このスキルは簡単に思いがちだが、意外と難しい。
速く打とうとすれば、どうしても手から出がちだからだ。
故に、脱力して打突する必要がある。
竹刀の振りの小ささ
竹刀の振りを小さくし、最短距離で打突することが非常に重要だ。
参考にする動画は、近本巧選手だ。
彼が5:00で決める面を見て欲しい。
竹刀の振り幅が極端に小さい。
これは手首を使うだけでなく、全身のバネを利用して打てているからこそできる芸当である。
打突の際、上半身を立てることにより打突の起こりの最小限化と打突の強度の強化両方の効果がある。そして上半身を立てて打つには、足を使って前に体を運べるようにならなければいけない。
これについては、また別の記事に書こうと思う。
ひとえに速い面と言っても、なぜ速いかは実は大きく違う。ここを見分けれるか見分けれないかが、今後変化していく剣風についていき、勝てるかどうかが変わってくるのである。
【あなただけの竹刀選び完全ガイド】勝つ竹刀を選ぶ
剣道をする上で、至極当たり前だが、選手は竹刀を使う。
竹刀とはその名の通り、"竹"を使って"刀"を模したものだ。
重さと長さには規定があり、一定水準を超えなければ試合で使えない。
規定があるならば、全ての竹刀は同じではないのか?
否。
多くの人が見落としがちなのは、竹刀にはタイプが存在し、扱う竹刀によって、試合スタイルも大きく変わってくる。
「竹刀って全部一緒でしょ?重さも長さも制限があるのに、何が違うの?(笑)」
と思ったそこのあなた、確実に損をしている。
今まで何試合もの勝てたかもしれない試合を、負け続けている。
あなたの剣道スタイルにあった竹刀選びを、元全国区の私がお手伝いさせていただきたい。
良い竹刀の基本知識
基本的に軽ければ軽い程よい
剣道でスピードが重要なファクターであるがゆえ、軽い竹刀はやはりよいとされている。
特に、筋肉がまだできていない小・中学生は、数グラムの重さの差が勝敗を大きく分ける。
〜剣道 Ma Ma さんより抜粋〜
以上の数字が規定値だ。その規定の重さ以上の竹刀を使わなくてはいけない。
タニタ デジタルクッキングスケール 1kg ホワイト KD-187-WH
計りを使い、その重量規定ギリギリの竹刀を使うのがよいだろう。
竹刀は、軽ければ軽いほどいい。
私がオススメしたい竹刀がこれだ。
この竹刀は胴張り型と呼ばれ、手元に重さがくるように設計されている。
手元から剣先までの刀身が細身で設計され、竹刀を振った時のなめらかさが心地よい。
胴張り竹刀は、一般的に選手の試合用として運用されており、実践的な竹刀の代表格と言っていいだろう。
繰り返すが、竹刀は軽いほどいい。
しかし、人によって例外もある。
竹刀は軽くなると、少なからず打ちも軽くなるのだ。
それを嫌い、あえて重い竹刀を好む選手もいる。(宮崎正裕さんとか)
私個人としては10数グラムの重さが、打ちの強度を劇的に変えるとは思えないので、軽いほどよいという思いは変わらない。
だが、体が出来上がる警察や大学レベルになると、どの竹刀も爪楊枝のように感じてしまうだろう。そうなってくると、大した違いはないのかもしれない。
先が重い竹刀はNG
竹刀の重さは、均一ではない。
手元に重さがきている竹刀もあれば、先に重さがある竹刀もある。
これは、竹刀が自然の竹を利用しているため、バランスにムラがあるせいだ。
剣道は、竹刀の先端付近「物打ち」で打突部位をとらえないと一本にできない。
つまり、"剣先を相手よりも先に届かせる競技"だ。
その剣先が重い竹刀というのはよくない。
手元に重さのある竹刀か、重さが均一に散らばっている竹刀を使うべきである。
しかし、あえてその先の重い竹刀を練習用にするという手もある。
素振り用の"すぶりこ"と呼ばれる竹刀拡張アイテムだ。
それを竹刀の剣先につけ、あえて重さを剣先にすることによって、"剣先を送る"スピードを鍛えることができる。
柄の長さで接近型・遠距離型が決まる
これも多くの方が気付いていないが、柄の長さも大事だ。
結論から言うと、
柄が長い= 振りが早い・リーチが短い・扱い難易度「低」
柄が短い= 振りが遅い・リーチが長い・扱い難易度「高」
体が小さく、スピードと勢いが重視の小・中学生は、長めの柄を好む傾向にある。
しかし、筋力もついてきて、どの竹刀でもスピードが出せる選手になってくると、柄は短めの選手が多い。
柄を短くすることにより、余った刀身が長くなる。
これによりリーチが生まれ、より遠くから打突が可能になる。
私が柄の短さで驚いたのは、最速の面で名高い、高鍋進選手だ。
本当に彼の柄は短い。
しかし、172と決して高くない身長から放たれる面が、あそこまで伸びがあるのは、柄が短いと理由が大きいのだ。
柄の太さは自分の手の大きさにあったものを
柄の太さも、竹刀によって違う。
同じ長さでも、握る柄の太さが違えば、竹刀を振る感覚が大分変わってくる。
自分の手にあったものを選ぶのがベストだが、細身の柄はやめておいた方がよい。
細身の柄で竹刀を振ると、どうしても力みが生じ、柔らかい動きができないからだ。
なので、2つのどちらを選べと言われたら、私は太身の柄をオススメする。
太身の柄をもつ竹刀は、柄太と呼ばれている。
手元が軽い尚且つ、柄が太めなため力みなく触れるという利点がある。
柄太は、実際に使ってみると、
「え?爪楊枝かよ笑」
ってくらいに軽い。
細かい技が力みゼロで打てるため、出ばなや返し技が非常に楽に打てるようになる。
しかし反対に、前の飛び込む打ちは少々軽くなるので注意が必要だ。
現在のトレンド
剣道界で最も熱い竹刀は、
手元に重さ+ 柄短め + 柄太め
だ。
特に、昔は柄が長めが好まれて使われていたが、現在の有名選手のほとんどは柄が短めのものを使用している。
全日本に出場している選手や、8段の先生方が使っていた竹刀だ。
日本純国産の真竹で作られている。
30,000円とお高いが、バランスの良さは半端ではない。
実は8段の先生が持っていて、一度使わせてもらったのだが、まるで自分の体の一部のようにこの竹刀は動きと同化してくる。
プレミア感の強い一本。
「武神」9980円
人気の竹刀、武神。若干柄太で、手元が軽いにも関わらず、あえて先にも太さを残しているので、打ちの強度はそのままにスピードを増してくれる。
非常にポピュラーな竹刀で、売り切れ必須だ。
個人的に、一番オススメしたい竹刀だ。
あなたにあった竹刀選び
得意技から選ぶ
飛び込み面・出ばな面
飛び込み小手・出小手
胴・抜き胴
引き技
身長から選ぶ
160~165 cm
165~175 cm
175 cm ~
素振り用の竹刀
【中学剣士の進路】全国の剣道強豪高校をまとめてみた【2019年版・随時更新】
【※この記事は随時更新です】
剣道人生に置いて、もっとも濃密に練習できる時期はいつか。
それは、疑いの余地なく、高校生の時期だと言える。
高校の選択によっては、あなたの剣道人生はガラリと変わる。
そこで今回は、全国の剣道の強豪高校をまとめてみた。
自分に合った高校を探して、自分だけの剣道ライフを模索して欲しい。
中でも歴史があり、全国優勝を狙える高校を【超強豪】とした。あくまでも目安として見てくれ。
しかし、覚えておいて欲しい。
これから出てくる高校は、全て全国トップクラス。この中のいずれかでレギュラーになれたのなら、生涯永遠に全国クラスであることは間違いない。
北海道
北海道
東海第四高校
全日本のコーチ、古川和男8段が指導者の高校だ。
有名な排出選手は、2019年日本代表の大将、安藤翔選手。
現在の日本最強選手の一人である。
この高校の剣風は、真っ直ぐな構えと打突が美しい、"正剣"に尽きる。
また、この高校の選手は総じて体格がよく、どんな相手にもパワー負けしない試合ができる。将来的にも長く勝てる剣道スタイルである。
確実な地力をつけてくれる高校といえよう。
東海第四OB 安藤選手 X 勝見 警察大会4回戦
東北
青森県
岩手県
秋田県
宮城
山形
福島
関東
関東地方は、九州地方に次いで激戦区の地区。
水戸葵陵、桐蔭、高輪といった全国トップレベルがしのぎを削り合っている。
剣才に恵まれた剣士が多いイメージがある。
茨城
水戸葵陵高校
構えの威圧感と美しさが高校剣道界一の高校。
特徴的なのは、背筋が真っ直ぐ立った構えから放たれる、全く手元の浮かない鋭い打ちである。
葵陵の選手は総じて姿勢が良く、見ていて清々しい。構えだけで相手を威圧できるチームだ。葵陵の選手は懐が深く、ごちゃごちゃな打ち合いを良しとしない。無駄打ちをせず、理にかなった一本を取ってくる。
全国トップレベルの道場、光龍館の選手もここに集うため、世代最強の剣士が多く在籍している。
1ヶ月に1度合宿があり練習メニューもかなりハードだが、それが葵陵を全国トップクラスとしている所以だろう。
H21 インターハイ男子決勝 水戸癸陵 vs 神奈川桐蔭
H29 水戸癸陵 vs 神奈川桐蔭
栃木
小山高校
栃木でトップクラスの実力を持つ高校。最近では佐野日大の成長率に押されている気はするが、栃木で佐野日大と並ぶ超強豪。
パワーに頼らず技を使って一本を取る技術に長けている。
佐野日大
小山高校と並ぶ、全国クラスの高校。
東松館道場出身の選手が多く、出てよし引いてよしの選手が多い。
2018年のインハイ覇者は、大平選手。二年連続決勝進出と、そして三年にして悲願の個人優勝は伊達ではない。
佐野日大 稽古風景
インターハイ個人 準決勝 佐野日大 大平 vs 九州学院 長尾
群馬
埼玉
東京
高輪高校【※学校統合により消失】
高輪高校は、東京の王者と言ってもいい。緑の胴が印象的だ。
有名選手を数多く排出しており、入部すれば地力のある剣士に育ててくれるだろう。
体力のある選手が多く、その代を代表する選手が毎年現れるのも特徴的だ。
また、玉龍旗の決勝に何度も勝ち上がっている数少ない関東の高校でもある。
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IH個人予選決勝 高輪の同校対決
国士舘高校
高輪が無くなった今、東京は国士舘一強である。
剣風は攻撃的で正剣。パワーのある選手が多く、大学はそのまま国士舘大学に進む選手が多い。
基本が非常にしっかりしていて、前に出る技が強い。大学・社会人になっても伸びる剣道を教えてくれるだろう。
2015 玉龍旗 国士舘 vs 筑紫台
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2016 IH個人予選 国士舘 落合選手
神奈川
桐蔭高校
神奈川といえば、桐蔭高校だろう。
桐蔭高校は、いわゆるエリート剣士集団だ。
全国上位常連チームで、剣道センスの高い選手が多い。
剣道一本集などの動画を見ればわかるが、桐蔭の剣士が取る一本はどれも理にかなっていて美しく芸術的だ。
東海大相模高校
桐蔭高校に次いで強豪なのが、ここ東海大相模だ。
桐蔭という絶対王者を崩し、何度も全国に出場している。
勢いのある剣風が特徴的で、特に前の技が早い。先鋒から大将まで前の技で勝負してくり傾向があり、一度波に乗せてしまうと、どんどん思い切った技を連発してくる。
"ジャイアントキリング"という肩書きがこれほど似合う高校は他にいない。
千葉
安房高校
現在千葉では敵なしの王者だろう。対抗馬として習志野があったが、安房著しい成長に、最近は圧倒されているイメージがある。
特に2011年は佐藤・千葉の2枚看板が率いる安房の時代で、その年は個人・団体ともに安房高校が制した。
機動力の高い剣風で、実に攻撃的。バネのある剣士が多く、遠間からでもどんどん打って来る。
勢いに乗った時の安房高校は誰にも止められない。
新潟
富山
長野
山梨
静岡
愛知
岐阜
石川
福井
関西
滋賀
八幡高校
三重
三重高校
京都
日吉ヶ丘高校
久御山高校
奈良
奈良大学附属高校
全国上位常連の高校だ。奈良県では敵なしで、個人の上位全てを奈良大が占めている。
近畿圏内の有名選手が集い、入学以前から非常に地力のある選手が多い。
大阪
PL学園高校
上宮高校
清風高校
兵庫
育英高校
近畿で奈良大附属と並んで自力のある強豪高校。
力みがなく柔らかい構えから、ストーンと真っ直ぐ継ぎ足なしの技を打ってくる。
試合巧者な選手が多く、体格差があっても技術でそれを補い、結果勝利している印象。
システマティックな、実に理にかなった剣道をしてくるため、どの高校が相手でも常に安定した試合運びをしてくる。
理合が強いため、大学・大人になってもそこから勝てる剣道をしている。
和歌山
和歌山東高校
中国
岡山
西大寺高校
鳥取
広島
沼田高校
島根
山口
四国
香川
徳島
愛媛
帝京第五高校
紫の胴と面紐が印象的な高校。
四国では常にトップレベル、全国常連の高校だ。
伸び伸びとした剣風で、遠間からの思い切った打突が多い。
最近(2017現在)では、四国最強との名高い。
新田高校
高知
明徳義塾高校
全体的に地力のある選手が多く、オールラウンダーな選手に仕上げてくる。
苦手な戦い方がない。まさに、出てよし引いてよしの高校だ。
常に集中力が持続しており、試合を見ていても隙が見当たらない。毎年毎年、安定した成績を残しているのは練習の賜物であろう。
全国へ導いていた監督が大濠に異動したこともあり、今後どうなるのか気になるところだ。
九州
九州は、"剣道大国"とも呼ばれ、特に高校剣道では「九州優勝は全国優勝よりも難しい」と言われるほど。
剣風は総じて荒く、出てよし引いてよし、そして勝利への執念がある。全国の決勝には、九州地区のいずれかの高校が必ずと言っていいほど上がってくる。
玉龍旗に至っては、九州の高校のためにあると言ってもいい。
あなたが本気で天下を取りたいなら、九州へ挑戦することをオススメする。
福岡
福岡大濠高校
大濠は、"怪物剣士製造高校"だ。
最年少全日本覇者・竹ノ内選手、一回生で大学王者になった梅ヶ谷選手の母校。
大濠は一人一人の選手が元来持っている良さを伸ばすことに重点が置かれているように思える。水戸葵陵のように選手をその高校の剣風に染め上げるものとはまた別だ。
そのため、大濠出身は斬新な剣風をもつ剣士が多い。梅ヶ谷選手がいい例だ。
何か常識を打ち破るためには、未到の領域に入る必要がある。大濠はそこに挑戦している高校と言える。
62回全日本選手権 最年少優勝 元大濠竹ノ内選手
筑紫台高校
福岡は大濠、福岡第一といった強敵のせいで少しばかり影が薄いイメージがあるが、筑紫台は他県であればダントツで優勝できる力を持つ。
地力が高く、今宿道場出身者が多いイメージだ。
九州さながらの出てよし引いてよし、そして型にはまらない剣風が特徴的だ。
筆者も練習試合で何度も手合わせをしたが、この実力でインハイにいけない福岡の怖さを思い知ったものだ。
福岡第一高校
地力の高い選手が多く、九州の荒い剣風では珍しい「真っ直ぐで肩の力が抜けている正剣」である福岡第一。玉龍旗上位の常連校。
大濠と並ぶ福岡のトップ1、2だ。
総じて言えることはどの選手も粘り強い。
出てよし引いてよしで、玉龍旗などのチーム全体の自力が試される大会でかなり強い。
大分
明豊高校
2017年に剣道部が創立され、創立一年目にして大分男女アベック優勝、三年目の2019年には全国選抜で準優勝という恐るべきポテンシャルを誇る高校。
はっきり言って、これは異常だ。他府県から有名選手を集めているとは言え、ここまで早く頭角を表すのはなかなかない。
佐賀
龍谷高校
激戦区である九州地区でもトップクラスの強豪。
龍谷高校は、学校名に龍とあるように、龍のごとき豪快な剣風をもつ高校。
ハートの強い選手が多く、選手一人一人が強気で、勢い負けすることがない。
また思い切りがよく、遠間からズドンと思い切った技を好む傾向がある。
西村・川崎選手世代がそのいい例だ。
引き技よりも前の技が多く、試合が派手なので見ていてとても楽しい。それでいて強い。
長崎
島原高校
王者九学のライバルであり、全国屈指の高校。
島原の選手は地力があり、打ちが総じて鋭い。実力は全国トップクラスである。
この高校がすごいのは、なんといっても選手の伸び率である。
近年では九州学院のライバルとして真っ先に挙げられるが、中学時代にスター選手ばかりの九学と比べて、劇的な実績を残している選手は少なく、地元の選手が多い。
それでいて九学の互角に渡り合っているのだから、いかに渡邊監督の指導が素晴らしいかということがわかる。
熊本
九州学院高校
言わずもがな前人未到の全国連覇を何度も成し遂げている高校で、現在(2019年)、高校剣道界の王者として君臨している。
全日本元大将の内村選手、史上最年少日本代表の山田選手、2018年世界大会の日本代表星子選手の母校でもある。
名指導者・米田監督の手腕が素晴らしい。選手層が厚く、日本で一番レギュラー争いが厳しいチームであることは間違いない。
九州学院の特徴は、全ての技がハイクオリティで、5人全ての選手がオールラウンダーということである。
また、何よりも突出すべきはその防御力。団体戦で一本の取り合いをよしとせず、リードを得たらそれを守りきる。剣道という競技を研究し尽くし、勝ちに特化したチームといえる。
そして、現在日本の剣道界で活躍している多くの選手が、九学出身なのだ。
2017年 65回全日本選手権 九学出身 西村選手 内村選手
阿蘇高校
鎮西高校
常に熊本代表の座を九州学院と争っており、地力の高い選手が多い。
足を使った剣道が特徴的で、スピードが早く、まさに出てよし引いてよしの剣道をしてくる。
王者九学を倒したいのなら、鎮西か阿蘇に挑戦してみるのもいいだろう。
宮崎
高千穂高校
言わずと知れた古豪。玉龍旗では特に勝負強く、玉龍の上位常連高校。
剣道史上最強の先鋒・浅田選手の母校。
地力の高い選手が多く、よく鍛えられているなぁという印象だ。
近年は九学、大濠、龍谷の影に隠れているものの、毎年全国トップクラスに仕上げてくる監督の手腕には目を見張るものがある。
2017年、悲願のインハイ団体優勝を決めた。大将戦で負けたが、代表で同選手が当たり、今度は勝ち返すという強メンタルが素晴らしい。日々の厳しい稽古で鍛えられているのだろう。
2017年 高千穂 インターハイ団体優勝
鹿児島
鹿児島実業
沖縄
那覇高校
剣道で強くなるための最初のステップは、指導者選びだ。
指導者であなたの剣道人生は決まる。
剣道で強くなるためには、
いや、そもそも剣道を始める時、まず1つ目に大きな課題がある。
それは、良き指導者と巡り会うことだ。
剣道を始める時、おそらく多くの人は地元の道場から始めるだろう。
剣道に置いての指導者とは、道場長と言ってもいい。
どんなスポーツでもそうだが、いい指導者と巡り会うことは強くなるための必須の条件だ。
では、具体的に良き指導者とは何か?
1. そのチームが大会で結果を残している
2. 道場の卒業生が戻ってくる
たったこの2つだ。
それ以外はいらない。
「え?この2つだけ?もっと理由ないの?」
と思われるかもしれない。
だが、それだけだ。
良い指導者は、チームを勝利へ導く
1. そのチームが大会で結果を残している
やはり、勝たなければ面白くないし、やっている意味がない。
「剣道は人格形成のための武道で、勝ち負けを気にするものではない」
人格がよければ負けても良いなんて言う道場長には、死んでもついて行かない方がいい。(こんな方がいるとは思わないが・・・)
そもそも、人格形成と勝ち負けを両立できないという理論が意味不明だ。人格もよくて、剣道も強い方がいいではないか。
やるからには、勝ちに行くべきだ。
では、どうやってその道場が強いかどうかを判断するのか?
簡単だ。ネットで検索すればいい。
その道場をネットで検索すれば、いとも簡単に戦歴が出てくる。戦歴が出てこなかった場合は、その道場はあまり結果を残せていない道場ということになる。
人格者には、人が集まってくる
2. その道場の卒業生が、稽古をしに帰ってくる
恐れながら、剣道の指導者の中には、ヤクザみたいな怖い人がいっぱいいる。
一部の全国強豪の道場の指導者にも、滅茶苦茶な先生がいる。
例えば、
・保護者と喧嘩が絶えない。
・子供の意思を無視して進路を勝手に決める。
・殴る蹴るの暴行が激しい。
・剣道が弱い人を見下す
では、どうやってその指導者が人格者かどうか判断すればいいのか。
それは、
その道場を卒業したOBが、今でも稽古に来るかどうか、だ。
人格的にダメな指導者に、人は帰ってこない。
愛されている人格者とは、離れても帰りたいと思うものだ。
こればかりは、実際に道場に行って、見てみないとわからない。
良き指導者との巡り合わせは、今後の剣道人生を左右すると言ってもいい。
剣道は対人競技だ。あなただけでは強くなれない。
あなたが良き指導者に恵まれることを望む。